水質基準項目の解説
水道水は、水道法第4条(水質基準)においてその要件が示されています。この水質基準項目は、平成16年4月1日50項目に改正されました。
平成20年4月1日塩素酸が追加され、51項目とされました。
平成21年4月1日1,1-ジクロロエチレンが廃止され、水質管理目標設定項目へ移行しました。
水質基準項目(51項目)
全国的にみれば検出率の低い項目であっても、地域、水源の種別、浄水方法により、人の健康の保護又は生活利用上の支障を生じるおそれのある項目について定められました。
水質管理目標設定項目(26項目)
浄水中で一定の検出の実績はあるが、毒性の評価が暫定的であるため水質基準とされなかったもの、又は、現在までは浄水中では水質基準とする必要があるような濃度で検出されてはいないが、今後、当該濃度を超えて浄水中で検出される可能性があるもの等水質管理上留意すべき項目で、将来にわたり水道水の安全性の確保等に万全を期する見地から、水道事業者等において水質基準に係る検査に準じた検査等の実施に努め、その検出状況を把握し、水道水質管理上留意すべき項目として定められています。
水質基準項目(51項目)
1.一般細菌
一般細菌として検出される細菌の多くは、直接病原菌との関連はありませんが、汚染された水ほど一般細菌が多く検出される傾向があることから、水の汚染状況や安全性を判定する指標となっています。
2.大腸菌
人や動物の腸管内や土壌に存在しています。水道水中に検出された場合、病原生物に汚染されている疑いがあります。
3.カドミウム及びその化合物
自然水中に含まれることはまれですが、鉱山排水、工場排水等からの混入によって河川水等で検出されることがあります。用途としては、電気メッキ、顔料、電池、合金等に使用されています。人への影響は、肝蔵機能障害をおこし、「イタイイタイ病」の原因物質として知られています。
4.水銀およびその化合物
水銀鉱床等の地帯を流れる河川や、工場排水、農薬、下水等の混入によって河川水等で検出されることがあります。有機水銀化合物(メチル水銀等)は「水俣病」の原因物質として知られています。
5.セレン及びその化合物
鉱山排水、工場排水等の混入によって河川水等で検出されることがあります。セレンは生体の微量必須元素で酵素やタンパク質を構成する成分です。過剰摂取すると爪、髪、胃腸、皮膚、肝臓に障害を起こします。
6.鉛及びその化合物
地質、鉱山排水、工場排水からの混入によって河川水等で検出されることもあります。また、給水管に用いられる鉛管からの溶出によって水道水に検出されることもあります。鉛は錆びにくく加工の容易さを利用して鉛管、蓄電池、はんだ、防錆材料等に利用されています。鉛管が使用されている場合、開栓初期水についてはバケツ1杯分程度を飲料水以外の用途に用いることが望ましいと思われます。
7.ヒ素及びその化合物
地質の影響、鉱泉、鉱山排水、工場排水からの混入によって河川水等で検出されることがあります。急性毒性として嘔吐、下痢、腹痛等、慢性毒性として皮膚の角化症、黒皮症、末梢神経炎等を起こします。
8.六価クロム化合物
工場排水(メッキ、染料、皮革)等からの混入によって河川水等で検出されることがあります。急性毒性として腸カタル、慢性毒性として黄疸を伴う肝炎等を起こします。
9.亜硝酸態窒素
血液中のヘモグロビンと反応し酸素を運べなくする作用があります。このため目標値は、毒性を考慮して設定されています。亜硝酸態窒素は、自然界ではほとんどが硝酸態窒素として存在しています。
10.シアン化物イオン及び塩化シアン
工場排水等の混入によって河川水等で検出されることがあります。シアン化合物のシアン化カリウム(青酸カリ)は代表的な毒物として知られています。中毒症状としてはめまい、頭痛、意識喪失等を起こします。
11.硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素
窒素肥料、腐敗した動植物、生活排水、下水等の混入によって河川水等で検出されます。高濃度に含まれると幼児にメトヘモグロビン血症(チアノーゼ症)を起こすことがあります。水、土壌中で硝酸態窒素、亜硝酸態窒素、アンモニア態窒素に変化します。
12.フッ素及びその化合物
主として地質や工場排水等の混入によって河川水等で検出されます。適量摂取は虫歯の予防効果があるとされていますが、高濃度に含まれると斑状歯の症状が現れることがあります。
13.ホウ素及びその化合物
自然水中に含まれることはまれですが、火山地帯の地下水や温泉、工場排水(金属表面処理、ガラス、エナメル工場)の混入によって河川水等で検出されることがあります。多量に摂取すると消火器、神経中枢等に影響を及ぼします。
14.四塩化炭素
揮発性有機塩素化合物でフロンガス11、12等冷媒の原料、各種溶剤、洗浄剤に使用されています。人への健康影響は肝臓、腎臓や神経系への障害です。
15.1,4-ジオキサン
揮発性有機化合物で、樹脂やワックス等の溶媒として使用されています。人への健康被害は中枢神経、肝臓、腎臓への障害です。
16.シス-1,2-ジクロロエチレン及びトランス-1,2-ジクロロエチレン
揮発性有機塩素化合物で、化学合成の中間体、染料抽出剤、溶剤、熱可塑性樹脂の原料に使用されています。人への健康影響は麻酔作用です。
17.ジクロロメタン
揮発性有機塩素化合物で、塗料の剥離溶剤、洗浄溶剤、天然物抽出剤等に使用されています。土壌に浸透すると吸着されにくいため地下水の汚染を引き起こすことがあります。人への健康影響は中枢神経系への障害です。
18.テトラクロロエチレン
揮発性有機塩素化合物で、ドライクリーニング洗浄剤、原毛洗浄剤、金属洗浄剤、フロン113の原料に使用されています。土壌に浸透すると吸着されにくいため地下水の汚染を引き起こすことがあります。人への健康影響は中枢神経系、肝臓、腎臓への障害です。
19.トリクロロエチレン
揮発性有機塩素化合物で、金属部品脱脂洗浄剤、ドライクリーニング洗浄剤等に使用されています。地下に浸透すると安定した形で閉じこめられるため長期にわたり汚染が継続します。人への健康影響は嘔吐、腹痛、中枢神経系への障害です。
20.ベンゼン
揮発性有機化合物で、染料、合成ゴム、合成洗剤のほか各種有機合成化学品の原料に使用されています。人への健康影響は再生不良性貧血、中枢神経系への障害です。
21.塩素酸
浄水処理過程で塩素剤として使用される次亜塩素酸ナトリウムの分解生成物です。次亜塩素酸ナトリウムを長期間貯蔵すると、酸化により塩素酸イオン濃度が上昇します。人への健康影響は、メトヘモグロビン血症、無尿、腹痛、肝臓衰弱などがあります。
22.クロロ酢酸
浄水処理過程で原水中の有機物質や臭素酸及び消毒用の塩素とが反応して生成される消毒副生成物の一つです。人への健康影響は皮膚や粘膜に強い刺激作用があります。
23.クロロホルム
浄水処理過程で消毒用の塩素と水中のフミン質等の有機物が反応して生成されるトリハロメタンの成分の一つです。人への健康影響は麻酔作用、肝臓、腎臓への障害です。
24.ジクロロ酢酸
浄水処理過程で原水中の有機物質や臭素酸及び消毒用の塩素とが反応して生成される消毒副生成物の一つです。人への健康影響は皮膚や粘膜に強い刺激作用があります。
25.ジブロモクロロメタン
浄水処理過程で消毒用の塩素と水中のフミン質等の有機物が反応して生成されるトリハロメタンの成分の一つです。人への健康影響は肝臓で酸化されてブロモラジカルとなり、生体成分と反応して毒性を発現すると推定されています。
26.臭素酸
高度浄水処理過程でのオゾン処理時及び消毒剤として使用している次亜塩素酸生成時の不純物の臭素が酸化され臭素酸が生成されます。オゾン注入率やpH値の制御により生成が抑制されます。人への健康影響は発ガン性や変異原生が指摘されています。
27.総トリハロメタン
浄水処理過程で消毒用の塩素と水中のフミン質等の有機物が反応して生成されるクロロホルム、ジブロモクロロメタン、ブロモジクロロメタン、及びブロモホルム濃度の合計量で表します。
28.トリクロロ酢酸
浄水処理過程で原水中の有機物質や臭素酸及び消毒用の塩素とが反応して生成される消毒副生成物の一つです。人への健康影響は皮膚や粘膜に強い刺激作用があります。
29.ブロモジクロロメタン
浄水処理過程で消毒用の塩素と水中のフミン質等の有機物が反応して生成されるトリハロメタンの成分の一つです。人への健康影響は肝臓で酸化されてブロモラジカルとなり、生体成分と反応して毒性を発現すると推定されています。
30.ブロモホルム
浄水処理過程で消毒用の塩素と水中のフミン質等の有機物質が反応して生成されるトリハロメタンの成分の一つです。人への健康影響は肝臓で酸化されてブロモラジカルとなり、生体成分と反応して毒性を発現すると推定されています。
31.ホルムアルデヒド
浄水処理過程で消毒用の塩素と原水中の一部の有機物質が反応して生成される消毒副生成物の一つです。水道では、エポキシ樹脂塗料及びアクリル樹脂塗料の原料として使用されています。人への健康影響は皮膚や粘膜に強い刺激作用があります。
32.亜鉛及びその化合物
自然水に存在することはまれですが、鉱山排水、工場排水からの混入によって起因することがあります。亜鉛は水に渋味を与え、亜鉛を含む水は1ミリグラム/リットルを超えると乳白色となり、煮沸すると油状の被膜を作るようになります。亜鉛は人の生体機能にとって必須元素であり生体内で重要な役割を果たしています。
33.アルミニウム及びその化合物
地球上に広く多量に分布し、土壌中に含有される金属元素としては最も多く、自然水中も含まれていますが、溶解度が小さいので、その量はあまりありません。水道では濁質を除去するためにポリ塩化アルミニウム(PAC)又は硫酸アルミニウムを凝集剤として使用していますが、適正な浄水処理を行えば、水道水に残留するアルミニウムは極微量です。アルミニウムを摂取してもほとんど吸収されずに排出されます。
34.鉄及びその化合物
鉱山排水、工場排水等からの混入によって起因することがあります。また、水道管に鉄管を使用した場合は溶出も考えられます。鉄は人の生体機能にとって必須元素ですが、水道水中に多量の鉄が存在すると、赤水の発生及び不快な臭味(金属臭、苦味)が感じられます。
35.銅及びその化合物
鉱山排水、工場排水等からの混入によって起因することがあります。また、給湯器の配管に使用されている銅管からの溶出が考えられ、銅特有の金属味をつけることや青く着色することがあります。また、人のヘモグロビンの再生に、鉄を補足するものとして必須元素でもあります。
36.ナトリウム及びその化合物
自然水中に広く存在し、海水、工場排水等からの混入によって起因することがあります。また、浄水場での水酸化ナトリウムによるpH調整、次亜塩素酸ナトリウムを用いる塩素処理からの場合があります。人にとってナトリウムは必須元素で、そのほとんどは食物からの摂取で、水道水からの摂取は極めて微量です。
37.マンガン及びその化合物
自然水中にも存在するほか、鉱山排水や工場排水等からの混入によって起因することがあります。水道水中にマンガンが含まれると水道管に徐々に沈着して、管内流速の変化によってマンガンが剥離し、いわゆる「黒い水」が給水管から流出され、器物や衣類を汚すことがあります。
38.塩化物イオン
水道水中の塩化物イオンは、天然由来のものが多く、家庭排水、工場排水、し尿の混入により増加します。高濃度に含まれると、鋭敏な人は塩から味を感じる事があります。
39.カルシウム、マグネシウム等(硬度)
硬度とは、水中のカルシウムイオン、マグネシウムイオンの量をこれに対応する炭酸カルシウムの量に換算して表したものです。硬度は水の味に影響を与え、硬度が高すぎると口に残るようなしつこい味がし、硬度が低すぎると淡白でこくのない味がします。適度な硬度(10~100ミリグラム/リットル程度)の水は、おいしさが感じられると言われます。また、硬度の高い水は石鹸の泡立ちが悪く、飲用すると下痢を起こすことがあります。
40.蒸発残留物
水中に浮遊及び溶解しているものを蒸発乾固した時に残る物質の総量で、主に水道水中のミネラルの含有量を表します。蒸発残留物の量が多いと苦みや渋みが増し、適度に含まれるとこくのあるまろやかな味になるとされています。
41.陰イオン界面活性剤
合成洗剤の有効成分であるアルキルベンゼンスルホネートなどをいいます。工場排水、家庭排水から河川へ流入し、高濃度に含まれると泡立ちの原因となります。
42.ジェオスミン
湖沼などで富栄養化現象に伴い発生するアナベナなどの藍藻類によって産生されるカビ臭の原因物質です。
43.2-メチルイソボルネオール
湖沼などで富栄養化現象に伴い発生するフォルミジウムやオシラトリアなどの藍藻類によって産生されるカビ臭の原因物質です。
44.非イオン界面活性剤
界面活性剤のうちイオンに解離する基を持たない物質の総称で、エーテル型、エステル型、エーテルエステル型、含窒素型があります。工場排水、家庭排水から河川へ流入し、高濃度に含まれると泡立ちの原因となります。
45.フェノール類
フェノール(石炭酸)やクレゾールなどを総称したものです。用途として、防腐剤や消毒剤、医薬品、合成樹脂など各種製品の製造原料として使われています。フェノール類は、自然に含まれることはなく、化学工場の排水やアスファルト舗装道路の洗浄排水などから検出されます。フェノールを含む原水を塩素処理するとクロロフェノールを生成し、基準値を超えるような場合、水道水に異臭味を感じさせます。
46.有機物(全有機炭素(TOC)の量)
有機物などによる汚染の度合を示し、土壌に起因するほか、し尿、下水、工場排水等の混入によっても増加します。水道水中に多いと渋みを感じられます。
47.pH値
水の酸性やアルカリ性の程度を表す水素イオン濃度指数で、pH=7が中性、7より小さいほど酸性が強く、7より大きいほどアルカリ性が強くなります。水の最も基本的な性質であり、水質の変化、配管への腐食性、浄水処理への影響等に関与する因子です。
48.味
水の味は、工場排水や下水の河川水等への混入及びプランクトンの繁殖のほか、浄水処理薬品の過剰注入によって起因することがあります。無機質を多く含むと不快味を与え、鉄、銅、亜鉛、マンガン等は金属味、渋味を与えます。また、有機物による場合は臭気を伴うことが多くあります。
49.臭気
水の臭気は、藻類などの生物の繁殖、工場排水や下水の河川水等への混入、水の塩素消毒などに起因することがあります。
50.色度
水についている色の程度を示すもので、基準値の範囲内であれば無色な水といえます。色の原因は、赤水が鉄、黒水はマンガン、青水は銅によるものです。
51. 濁度
水の濁りの程度を示すもので、基準値の範囲内であれば濁りのない透明な水といえます。濁りの原因は、主に管内のサビや堆積物が流出した微粒子で、粘土性物質、鉄さび、有機物等によるものです。
水質管理目標設定項目(26項目)
1.アンチモン及びその化合物
半導体材料や活字合金、軸受け合金などの成分として使用されています。毒性は強く、急性中毒として嘔吐、下痢、皮膚炎など、慢性中毒として心臓、肝臓、肝臓障害などの症状が現れます。
2.ウラン及びその化合物
原子力発電所の核燃料として使用されている放射性元素です。ごく微量ですが岩石や海水中にも広く分布しています。毒性が大変強く、肝臓に蓄積し肝臓障害の症状が現れます。
3.ニッケル及びその化合物
ステンレスやメッキの原料として使われています。大量に摂取するとめまい、嘔吐、急性胃腸炎などの症状が現れます。工場排水やニッケルメッキからの溶出が汚染源として考えられます。
4.1,2-ジクロロエタン
主に塩化ビニールの原料として使用されるほか、フィルム洗浄剤、有機溶剤に使用されています。環境への放出経路は主に大気からで、地下水や表流水への混入は少ないですが、土壌浸透すると吸収されにくいため地下水への汚染を引き起こすことがあります。
5.トルエン
シンナー、接着剤、塗料の原料として多く使用されています。急性中毒として中枢神経への影響、疲労、頭痛、めまいなどがあり、慢性中毒としては運動失調、平衡障害、言語障害などの症状が現れます。
6.フタル酸ジ(2-エチルヘキシル)
プラスチックに柔軟性を持たせるために可塑剤として使用されています。最近では内分泌かく乱物質(環境ホルモン)の1つとして生殖毒性が疑われています。
7.亜塩素酸
水道で使用される二酸化塩素の分解生成物です。
8.二酸化塩素
主に漂白剤として使用されています。二酸化塩素を浄水処理過程で酸化剤として使用した場合に検査を行うことが望ましいとされている項目です。亜塩素酸塩、塩素酸塩から合成される二酸化塩素を処理水中に投入した場合に分解生成物として亜塩素酸イオン、塩素酸イオンが生成します。赤血球細胞への酸化ダメージが懸念されます。大阪府営水道や四條畷市では使用していません。
9.ジクロロアセトニトリル
水道水の消毒剤(塩素)とフミン質、藻類、アミノ酸(アスパラギン酸)が反応して生成される副生成物の一つです。
10.抱水クロラール
水道水の消毒剤(塩素)とフミン質、塩化シアンが反応して生成される副生成物の一つです。
11.農薬類
殺虫剤や除草剤などさまざまな用途に多くの農薬が使用されています。一般に売られている薬剤は、何種類かの農薬が混合されたものもあります。農薬は種類が多く、毒性などそれぞれ異なるため、物質の特定や評価が困難です。そこで、水道水に混入する可能性が高い農薬101種類についてそれぞれの目標値を設定し、総農薬方式という方法で評価を行います。
12.残留塩素
水道水の衛生上、必要な措置として塩素消毒を行い、一定量の塩素を確保しなければなりません。残留塩素が多いと水道水に塩素(カルキ)臭を与え、水の味を悪くします。においの要件から目標値が定められました。
13.カルシウム、マグネシウム等(硬度)
硬度は水の味に影響を与え、硬度が高すぎると口に残るようなしつこい味がし、硬度が低すぎると淡白でこくのない味がします。適度な硬度(10~100ミリグラム/リットル程度)の水は、おいしさが感じられると言われます。おいしい水の要件から目標値が定められました。
14.マンガン及びその化合物
水質基準は黒い水の発生防止の観点から定められていますが、より質の高い水道水を供給するため、基準値の1/5が目標値として設定されています。
15.遊離炭酸
水中に溶けている炭酸ガスのことで、適度に含まれることにより、水に清涼感を与えます。多量に含まれると刺激が強くなります。おいしい水の要件から目標値が定められました。
16.1,1,1-トリクロロエタン
水より重い揮発性有機塩素化合物で不燃性であり、特有の甘い臭いがあります。主な用途は、金属の洗浄、ドライクリーニング洗浄剤、繊維の染み抜きなどです。不燃性溶剤の中では毒性が低い物質です。地下に浸透するとゆっくり分解されます。
17.メチル-t-ブチルエーテル
溶剤、洗浄剤、ガソリンの添加物等として使用される有機化学物質です。
18.有機物等(過マンガン酸カリウム消費量)
水中の有機物等が、一定の条件下で酸化されるのに必要な過マンガン酸カリウムの量として表したもので、汚濁の指標として用いられています。
19.臭気強度(TON)
臭気の強さを定量的に表す方法で、水の臭気のほとんどが感知できなくなるまで無臭味水で希釈し、臭気を感じなくなった時の希釈倍率で臭気の強さを表します。おいしい水の要件から目標値が定められました。
20.蒸発残留物
水中に浮遊及び溶解しているものを蒸発乾固した時に残る物質の総量で、主に水道水中のミネラルの含有量を表します。蒸発残留物の量が多いと苦みや渋みが増し、適度に含まれるとこくのあるまろやかな味になるとされています。おいしい水の要件から目標値が定められました。
21.濁度
水の濁りの程度を示すもので、水質基準項目として位置づけられていますが、より質の高い水道水を目指すために目標値が定められました。
22.pH値
水の酸性やアルカリ性の程度を表す水素イオン濃度指数で、pH=7が中性、7より小さいほど酸性が強く、7より大きいほどアルカリ性が強くなります。水の最も基本的な性質であり、水質の変化、配管への腐食性、浄水処理への影響等に関与する因子です。配管への腐食防止の観点から目標値が定められました。
23.腐食性(ランゲリア指数)
水が金属管内面を腐食させる程度を判定する指標で、数値が負の値で絶対値が大きくなるほど水の腐食傾向は強くなります。
24.従属栄養細菌
水の一般的な清浄度を示す指標であり、汚れた水ほど多くなる傾向にあります。浄水処理過程等での細菌の挙動の評価となります。
25.1,1-ジクロロエチレン
揮発性有機塩素化合物で、塩化ビニリデン、家庭用ラップ、食品包装用の原料に使用されています。人への健康影響は肝臓、腎臓への障害です。
26.アルミニウム及びその化合物
地球上に広く多量に分布し、土壌中に含有される金属元素としては最も多く、自然水中も含まれていますが、溶解度が小さいので、その量はあまりありません。水道では濁質を除去するためにポリ塩化アルミニウム(PAC)又は硫酸アルミニウムを凝集剤として使用していますが、適正な浄水処理を行えば、水道水に残留するアルミニウムは極微量です。アルミニウムを摂取してもほとんど吸収されずに排出されます。
お問合せ先
千早赤阪水道センター
〒585-8501
大阪府南河内郡千早赤阪村大字水分180(千早赤阪村役場内)
電話:0721-26-7165
ファックス:0721-72-1880
更新日:2021年03月01日